教育委員会事務局
教育次長 淺野 康
教育総務課長 會田孝一
学務課長 内田潤一
幼児教育・
保育推進担当課長
須田健志
学校健康推進課長 末竹秀隆
教育環境課長 桐山徳幸
副参事
秋元勝一
教育政策部
部長
工藤郁淳
学校職員課長 馬場利至
教育指導課長 青木雄二
教育相談・
特別支援教育課長
松田京子
新
教育センター整備担当課長
増井賢一
副参事
板澤健一
副参事
加藤敏久
生涯学習部
部長
花房千里
生涯学習・
地域学校連携課長
田村朋章
中央図書館長 松田一清
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
本日の会議に付した事件
1.
議案審査
・ 議案第百十四号
世田谷区立学校設置条例の一部を改正する条例
2.
報告事項
(1) 平成三十年度
補正予算(当
委員会所管分)について
(2) 乳幼児健診未
受診者、未就園児、不
就学児等の
緊急把握について
(3) 第九回
世田谷ガリレオコンテスト(科学コンテスト)の実施について
(4) アメリカオリンピック
委員会との
交流事業の結果について
(5) 第二回バンバリー市
中学生親善訪問団の受入れについて
(6) 重要文化財「
大場家住宅主屋及び表門(
世田谷代官屋敷)」の
改修工事の着手について
(7) その他
3.請願の
継続審査について
4.閉会中の
特定事件審査(調査)事項について
5.
協議事項
(1) 次回
委員会の開催について
◇ ~~~~~~~~~~~~~~~~ ◇
午前十時開議
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまから
文教常任委員会を開会いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
安部ひろゆき 委員長 本日の
委員会に、た
かじょう委員より遅参の届け出がありますので、御報告いたします。
本日は、本来であれば
議案審査を先に行うところですが、た
かじょう委員が遅参ということなので、先に2の
報告事項から進めさせていただきたいと思います。
まず、2
報告事項の聴取に入ります。
(1)平成三十年度
補正予算(当
委員会所管分)について、
理事者の説明を願います。
◎會田
教育総務課長 それでは、平成三十年度
補整予算の当
委員会所管分について御説明いたします。
資料をごらんください。本
補正予算は
一般会計(第三次)となり、第四回区
議会定例会に御提案、
企画総務常任委員会において審議をお願いしている案件ですが、その中で、
教育委員会の
所管事項にかかわるものについて御説明いたします。
1補正額(性質別)の(1)
教育費でございますが、今回補正額は、
投資的経費が二億四千八百四十九万円の増額となり、補正後の
教育費総額は二百五十三億四千九百十万四千円となっております。
次に、2
関連歳入歳出科目の
補正内容でございます。
(1)歳出の
①教育費をごらんください。
小学校施設改修事務について九千八百五十二万円、
中学校施設改修事務について一億三千八百三十七万円、それぞれ増額になっております。これは、一部の
学校施設における
耐震診断の状況を踏まえ、
小学校六校、
中学校八校で
耐震補強設計を行い、これに合わせて、当該校で体育館の
空調設備装置の
設備設置に向けた設計を行うことによるものでございます。
また、
区立幼稚園施設改修について一千百六十万円の増額になっております。これは、二〇一九年四月から八月に実施する
区立塚戸幼稚園の
解体工事について、
設計内容の一部変更により
解体工事費が二千九百万円増額となり、そのうち
債務負担一年目の
前払い金一千百六十万円を増額補正するものでございます。
次に、3
繰越明許費でございます。これは、先ほど歳出の項目で申し上げました
小中学校の
耐震補強設計及び体育館の
空調設備設置設計が年度内に終了しないために、来年度に繰り越しするものです。
次に、4
債務負担行為補正でございます。これは
区立塚戸幼稚園の
解体工事費の増額に伴い、平成三十一年度の
債務負担行為の限度額を四千二百万円から五千九百四十万円に一千七百四十万円増額するものです。
なお、この増額分は、
解体工事費の増額二千九百万円から、先ほど歳出の項目で申し上げました
前払い金一千百六十万円を除いた金額でございます。
私からの説明は以上でございます。
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
安部ひろゆき 委員長 次に、(2)乳幼児健診未
受診者、未就園児、不
就学児等の
緊急把握について、
理事者の説明を願います。
◎内田
学務課長 それでは、乳幼児健診未
受診者、未就園児、不
就学児等の
緊急把握について御報告いたします。
なお、本件は
福祉保健常任委員会とのあわせ報告になります。
まず、1の主旨でございます。本年七月に
厚生労働省より、乳幼児健診未
受診者、未就園児、不
就学児等の
緊急把握として、各
自治体が把握している児童の数等について
調査依頼があり、このたび、十一月三十日時点での
調査状況を、東京都を通じて
厚生労働省へ回答いたしますので、御報告するものでございます。
なお、
本件調査は、
児童虐待防止対策に関する
関係閣僚会議で決定された
児童虐待防止対策の強化に向けた
緊急総合対策において、緊急に実施すべき
重点対策として掲げられたことを受けて実施するものでございます。
次に、2の調査の内容ですが、
本件調査における
把握対象児童が、平成三十年六月一日時点の
住民基本台帳に記録がある児童のうち、こちらに記載の①から④のいずれでも確認がとれていない児童となります。
教育委員会としましては、主に④区
教育委員会等が、学校への就学に係る事務の過程で把握した児童で通学していない者のうち、
関係機関による状況の確認がとれていない児童、ここには
就学先を把握していない
外国籍児童も含みますが、こうした児童につきまして、
学校基本調査の結果などとともに、
福祉領域の所管課とも連携しながら調査を行っているところでございます。
恐れ入りますが、裏面をごらんください。3の
調査状況の概要でございます。
(1)平成三十年六月一日現在の
住民基本台帳に記録があるゼロ歳から十五歳までの
児童数は十万八千八百十八名、そのうち
教育分野は六万二千五百二十名です。
(2)は、上記(1)のうち、平成三十年九月三十日時点の
把握対象児童数です。こちらは、先ほどの調査の内容に記載の①から④の児童で、九月三十日時点では状況の確認がとれていない
児童数になります。
(3)は、上記(2)のうち、さらに調査の結果、平成三十年十一月三十日時点で状況の確認がとれていない
児童数を東京都及び
厚生労働省へ回答いたしますが、参考に十一月二十八日現在把握できない児童は二十九名、そのうち
教育分野は十七名となっております。
最後に、4の今後の対応ですが、十一月三十日時点で把握できない児童につきまして、
庁内関係機関で連携し、引き続き
確認作業を進めるとともに、
児童相談所や警察と情報共有して、児童の
所在確認、
安全確保に努めてまいります。
御報告は以上でございます。
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆そのべせいや 委員 まず、無国籍者については把握ができないのかということと、あと、これは把握をした後に、区としてどんな対応をしていく予定があるのかということをお聞かせください。
◎内田
学務課長 今回の調査につきましては、
住民記録があるかどうかといったところでまず確認をいたしますので、その点が基本となるということになります。
それから、今後の対応のところにも書かせていただきましたけれども、今現在、
福祉領域のほうでも
家庭訪問等を実施しております。さらに
教育分野のほうでは、御家庭に状況の確認についてのお手紙も今差し上げているところですので、そういったことを踏まえて、さらに状況の確認を進めていくと。その後につきましては、
児童相談所、警察とも連携しながら、さらに状況の確認に努めていくということになってございます。
◆そのべせいや 委員 そうしたら、前段のほうで
住民票はあくまでも
世田谷区にある
子どもについての把握ということの認識でよろしいでしょうか。なので、あくまでも
住民票だけ
世田谷区にあって、もしかしたら外に住んでいるかもしれないみたいな
子どもの調査であるとか、あるいは
住民票がない、区外に
住民票がある
子どもに関しては調査ができないというような認識でよろしいでしょうか。
◎内田
学務課長 こちらは全国的に各
自治体にそれぞれ調査の依頼が国からあったものでございますので、まず
住民記録があるかどうかといったところを出発点に調査が始まることになりますので、
学校基本調査の中でも
居所不明児というのは把握しているところなんですが、あくまでもそれも
住民記録があるといったところが前提になってございます。
◆青空こうじ 委員 この把握されていない
子どもたち二十九名というのは、お手紙もそうなんですけれども、家に訪ねていって、その
子どもたちとはちゃんと会ったりしているんですか。
◎内田
学務課長 こちらの二十九名の
お子さんにつきまして、最終的には家庭に訪問して、その
お子さんを目視するといったところまで調査することになってございます。今回の調査につきましては、目黒区の事案がございました。そういった虐待死を防ぐというところから、緊急的に対策として示されたといったところがございますので、その
お子さんの安全を確認するという観点で調査を進めているところでございます。
◆青空こうじ 委員 確かに目黒区、目黒の前に四国から来るときに、四国からわざわざ何回も電話しているのに、それを怠ったわけですよね。そのためにああいうふうになっちゃったんだから、これは本当にちゃんと本人に会って、実際にそこにいるかどうか、そういうのをやっているというのはきちんとしているんですか。
◎内田
学務課長 最終的にといいますか、
福祉領域のほうで今
家庭訪問も実施しております。今、
教育分野のほうでお手紙を差し上げている方につきましては、返ってきた状況によって確認がとれればそこまでなんですが、それでも確認がとれない場合は、
福祉領域のほうにも協力を仰ぎまして
家庭訪問を実施するといったことになってございまして、
家庭訪問をするということは、
お子さんの状況を目視するといったところで調査を進めることになってございます。
◆
上川あや 委員 参考までに、裏面で出していただいている把握のない
子どもの数字で、
外国籍の
子どもがこのうちどれぐらいを占めるのかという傾向を知りたいんですが。
◎内田
学務課長 十一月二十八日現在で把握できない児童の
教育分野の十七名、こちらは全て
外国籍の方になってございます。
◆
上川あや 委員 お手紙を差し上げているということなんですが、相手方におわかりいただける言語でお出ししているということなんですか。
◎内田
学務課長 今回、お手紙のほうが急いでということもございまして、言語は日本語なんですが、ルビを振ってお出ししている形になってございます。ただ、それとあわせて
家庭訪問の実施も、
福祉領域と協力して行っていくということで確認しておりますので、そういった点もあわせまして調査は継続していきたいというふうに考えています。
◆
上川あや 委員 事柄によって仕事のどこまで手間暇かけるかということはあると思いますけれども、
児童相談所をつくろうと思っている
自治体が、こういった
虐待防止対策でお手紙を調査のために送るといって、
外国籍の方に全員に日本語のお手紙を送るというのはちょっと考えればわかることで、そんなに珍しい言語じゃないのであれば、やっぱり御準備いただくようにしなければ本来おかしいことだと思うんですね。ルーチンにお出ししたと言っていても、やっぱりその中身の質を考えた事務をやっていただかないと、私たちとしてはちょっと納得がいかないんですけれども、もう一言いただきたいですね。
◎内田
学務課長 委員御指摘の点を踏まえまして、今後の調査のほうでは考えていきたいと思っています。
◆
上川あや 委員 あわせて、国から今回、全国的にやってくださいということなんでしょうけれども、繰り返しになりますが、
子どもの対策のことにすごく力を入れてやっていこうという区ですから、せんだっての決算でも申し上げましたけれども、
外国籍の子の
就学状況、未就学かどうかの調査も
世田谷区はやっていないということです。私は前から言っているのに、やっとここに来て、
児童相談所の話とかが盛り上がってきたからでしょうけれども、調査は何か不徹底な感じで、していただけるのかなという感じで私は印象を受けていたんですが、こういうときだけ
訪問調査みたいなことをおっしゃるんじゃなくて、国に言われたからやりましたじゃなくて、これは例年やっている
自治体があるわけですから、しっかりとした
子どもの状況の把握というものはなさるべきだと思うんですね。この際ですから、もう一言いただきたいと思っているんですけれども。
◎内田
学務課長 さきの
決算特別委員会でも御答弁申し上げましたけれども、
外国籍の
お子さんの
就学状況の把握といった点も今後視野に入れなければいけないと考えてございますので、手法については今検討しておりますが、その点についてもしっかりと行っていきたいと思っております。
◆
上川あや 委員 しっかりととおっしゃることの確度、確かだという、その確認の状況の度合いをやっぱり高めていただきたいんですよね。未就学児ゼロということで
自治体を挙げてやって、各部署と連携してやっている
自治体もありますので、せんだっての決算でお話をしたときには、御案内の出し方の言語をふやすとか、就学しない人は回答いただかなくて結構ですと終わらせていたのを、少なくともどこに進学する予定なのか確認のお返事を下さいとだけはお願いしますということなんですけれども、前回、それで返事が来なければ
訪問調査するつもりはないみたいに聞こえるような御答弁だったので、そういうのはやっぱり不徹底で、
子どもが亡くなってからじゃ遅いんですよね。
教育長、ぜひこの辺はしっかりやっていただきたいと思っているんですよ。どのぐらいなマインドで考えていらっしゃるか。
◎堀
教育長 今回、この調査の結果、国のほうから例の目黒の事件をベースにして、緊急に私どものほうに来て、こういう結果を出さなくちゃいけないということで、きょう、この資料を出させていただきました。その間に、今、
上川委員からお話しがありましたように、同様の話は
実務レベルで対応しておりますので、そういうふうに誰一人名簿に載らないということがないようにしたい。今回の件で、私たちも中で話をし、全庁的な連携がとれるということも確認させていただきましたので、今後そういう対応をしていきたいと思っております。
◆
上川あや 委員 最後にしますけれども、期待しています。しっかりお願いいたします。
◆
風間ゆたか 委員 学校のほうに関しては、
住民票から区立の
小学校に来ていない人たちの調査を毎年していたと思うんですよね。どこに行っているかということを把握しているしていない、していない人の数というのは、たしか毎年把握していたんじゃないかと思うんですが、この十七名というのは、今年度当初、それで把握していなかった数と同数なのかどうか、いかがでしょうか。
◎内田
学務課長 こちらの十七人は、先ほど申し上げたとおり、全て
外国籍の方になりますので、
日本国籍の方、
就学義務のある方につきましては、これは全て
学校基本調査の中で把握してございます。居所不明といった方もいらっしゃらないといったところで把握してございます。
◆
風間ゆたか 委員 では、年度当初にいつも把握しているのは
外国籍の方は除くということで、
外国籍の方に関しては、今までは
実態把握すらしてこなかったということでいいんですか。
◎内田
学務課長 外国籍の方でも
区立小中学校に通われる方はいらっしゃいますので、こういった方は当然把握できるといったことになりますけれども、それ以外の
就学先を把握できない
外国籍の方についてが残ってしまったということになります。
◆
風間ゆたか 委員 伺いたいのは、今までは
外国籍の方で希望する人は
区立小中学校で当然受け入れていたと。希望しない人に関しては、区から何らアプローチする手段がなかった。つまり、あなたのお住まいの学校はこの
小学校ですから、就学前健診だったりという案内もお送りしていないとか、そういう状況だったんですか。
◎内田
学務課長 新
小学校一年生、あと新
中学校一年生の
外国籍の
お子さんについては、
区立小中学校に通えますよといったことで御案内を差し上げていました。それに対して、
区立小中に通われるといったところで先方からの申請があれば、それで受け入れるといったことになってございまして、それ以外の方につきましては、ある意味、そこでストップしている状態がございまして、その点について、さらに
就学先の状況の把握が必要なんじゃないかといったところで、さきの
決算特別委員会でも、
上川委員から御指摘があったところになってございます。
◆
風間ゆたか 委員 参考までに、上の十二名のほうは
外国籍、皆さんそうなんでしょうか、御存知であれば。
◎内田
学務課長 細かい数字は持ち合わせていないんですが、この十二名の中には、
日本国籍の方、
外国籍の方がそれぞれ含まれるといったことになってございます。
◆
風間ゆたか 委員 最後にしますけれども、
上川委員が既に指摘をしていることだと思いますが、年度の当初でそういった案内をしている、案内をしっ放しの状態ということで、返事がない
外国籍の方はそのままにしておいたということなんだと思うんですよね。その数字も、もしかしたら把握していなかったということなのかもしれませんけれども、こうやって十七名上がってきて、もしかしたら、さっき
上川委員がおっしゃったように、最初の学校に関する案内ですら言語の問題から理解されていない可能性もあるというところから、今回のこの調査のことに限らず、毎年やっている就学の案内に関しても、
多言語化だったりとか、もしくは、今、タッチ・ザ・ワールドでもそういった
外国籍の方の支援ということを始められたわけですから、やっぱりその辺と連携をさせながらやっていく必要があるんじゃないかと思いますが、要望にしておきます。
◆
高久則男 委員 例えば
区立小中学校に新しく一年生に上がる
外国籍の方というのは、今度、
小学校に入りますという中で、
世田谷の
区立小中学校に入る人の割合というはどのぐらいなんですか。母数がどのぐらいあるかも私ちょっとつかんでいないんですけれども、どのぐらいて、どのぐらいの人が
区立小学校に入るものなんですか。
◎内田
学務課長 済みません、今正確な数字を持ち合わせていないんですが、
外国籍の
就学年齢の方に対する割合としまして、今、
区立小中学校に通っていらっしゃる子はほぼほぼ三分の一くらいだったというふうに記憶してございます。
◆
高久則男 委員 ということは、残り三分の二は、例えばアメリカンスクールとか、
自分たちの国の学校に行くとか、あと何をやっているかわからないわけだと思うんですが、あくまでも
義務教育を受ける権利というのは、
日本国籍を有した人というのが大前提になるわけですよね。
◎内田
学務課長 就学義務があるかどうかといったことになりますと、当然
日本国籍の方ということになってしまいます。今の法令上そうなってございますので、どうしても
外国籍の方は
就学義務がないといったところで、今まで
就学先の把握といった点については、ある意味、少し不十分だった点があったところでございます。
◆
高久則男 委員 こういった問題も、この十七名がどうなっているかというのは非常に不安、確認がとれていないというのは非常にゆゆしき問題になってきていると思いますので、何らかの形で、
世田谷に
住民基本台帳がある方のお子様が実際どうなっているかという
実態調査はやっぱり必要なのかなと私も思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
安部ひろゆき 委員長 次に、(3)第九回
世田谷ガリレオコンテスト(科学コンテスト)の実施について、
理事者の説明を願います。
◎青木
教育指導課長 では、私のほうから第九回
世田谷ガリレオコンテスト(科学コンテスト)の実施について御説明いたします。
資料をごらんください。1目的でございます。
区立中学校において豊かな発想と創造力に富んだ夢のある研究を広く募集し、
コンテストによる発表を通してより研究を深め、中学生の
自然事象、
科学技術への興味や関心を高めるとともに、科学を学ぶ喜びや意欲を育てるというものでございます。
対象者、
応募内容については記載のとおりでございます。
次に、日程と内容について御説明させていただきます。
まず、5の(1)にございますが、第一次審査につきましては十一月十五日に実施いたしました。本年度は
自然科学について二千九百二十二点、二十一校から、
科学技術について六点、六校から、総数で二千九百二十八点の応募がございました。この中から
最終審査で発表いたします代表の
入賞作品となります九点を絞り、次点として会場で紹介する
入選作品の十二点を選んだところです。
(2)
最終審査・発表会につきましては、来年、平成三十一年一月二十六日土曜日に、
国士舘大学メイプルセンチュリーホールにおいて実施いたします。内容は、先ほどの第一次審査で選出された
入賞作品について、入賞者が発表を行うとともに表彰等を行う予定でございます。
③にございますが、審査員は、東京農業大学、
東京都市大学の教授、区内にあります
一般財団法人である
材料科学技術振興財団の研究員、それから
世田谷区立中学校教育研究会理科部会の先生方の皆さんに依頼をしてございます。九つの作品の中から、
最優秀賞であります
ガリレオ賞及び優秀賞に対して賞状と副賞を贈ることにしております。
また、⑤にございますが、
東京都市大学の
大谷紀子教授に講演をお願いしておりまして、
科学技術の分野であります
人工知能を用いた
自動作曲についてお話をいただく予定です。
周知方法については記載のとおりです。
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆
風間ゆたか 委員 これは参加している生徒さんは学年はどの辺が中心なんでしたっけ。
◎青木
教育指導課長 多くは中学一年生、二年生になってございます。
◆
風間ゆたか 委員
夏休み期間は以前やっていませんでしたっけ、ずっとこの日程でしたっけ。
◎青木
教育指導課長 おっしゃるとおり、夏休みの自由課題のような形で出している学校が多うございまして、その応募について、二学期に入って早々にという形で、この日程で募集してございます。
◆
風間ゆたか 委員 夏休み明けから募集をして、一次審査が十一月、
最終審査が一月ということだと、これは受験とかを考えると、やっぱり三年生はどうしてもできないと思うんですよね。でも、今は幅広く毎年やっているとはいえ、三年生になってそういったことに目覚める子もいるかもしれないということを考えると、こういった取り組み自体が評価をされて、高校入試の際にプラスの影響があったりすることもあろうかと思いますので、もう少し期間を狭めるとか募集を早目にするとかで、そういったことに関心のある三年生も取り組めるような工夫が今後必要じゃないかなと思ったんですけれども、そのあたりはいかがですか。
◎青木
教育指導課長 今お話しのとおり、大きい目標は、やはり中学生にこういう科学的な関心を高めるというところではございますので、三年生の参加も望ましいところではあると思います。
また一方で、夏休みに取り組んでというところでのやりやすさもございますので、その後の審査などの日程についてまた確認、検討していきたいと思います。あと、三年生の参加の状況というところも確認をしてまいりたいと思います。
◆
風間ゆたか 委員 意見ですけれども、なかなかこういったことに関心を持ち始める時期というのは個人差があると思いますし、例えばその応募期間がこの期間だったとしても、新しい年度が始まって早々に案内をするとか、これは
小学校へ啓発していくということですから、毎年やっていって、この時期に応募するんだよということであれば、もし三年生だし、受験もあるからちょっと挑戦してみよう、夏休みに勉強じゃなくてこういうことをやってみようというような
子どもも出てくるかもしれないし、それがきっかけになって学習意欲なんかが上がってくる可能性もゼロではないと思うので、少し前倒しにしていく。結果、受賞したということが自信になって受験に臨めるなんていうこともあろうかと思いますから、年度の前半で結果が出るぐらいのスケジュール感もぜひ検討していただければなと思います。要望です。
◆そのべせいや 委員 風間委員の質問にちょっと関連もするんですが、
自然科学分野で応募された生徒さんは、これはいわゆる理科の授業の課題のような形で提出をされている方が多いのでしょうか、一定数いらっしゃるのでしょうかということを確認させてください。
◎青木
教育指導課長 夏休みに取り組みます、ある意味自由課題という中で、こういう理科的な部分についてこういう
コンテストもございますので、学校の呼びかけはそういう形でしていると思います。
科学技術についても昨年度から加えているところですので、内容等についてはその両分野で行っているという周知をしているところでございます。
◆そのべせいや 委員 今まさにお話しいただいたように、
科学技術分野について六校から六点なので、一校一点ずつが六校あったと。そのうち一点は昨年も、記憶をしている限りだと、二千九百二十二点の
自然科学と比べるとクオリティーがどんなものかというのは私はわかりませんけれども、少なくとも
入賞作品の中に一点は入れておくというような今現状になっているのを見る限り、もっと情報分野であるとか技術分野についての応募総数を今後ふやしていくことなどについて、審査員の欄を見ても「等」と記載があるのでわからないですが、区立の学校からは教育研究会理科部会というような記載しかないので、もっと
科学技術のところに対しての応募総数をふやすことであるとか、あるいは新・才能の芽を育てる体験学習などでプログラミングの応募数であるとか、ドローンを使ったことの応募数がすごく多いみたいな話も伺っている中で、こういった
科学技術分野の応募総数をふやす取り組みについて、今のところの認識をお伺いしたいんですが。
◎青木
教育指導課長 今お話しいただきましたように
科学技術の分野も、今、
小学校のほうからもプログラミング教育というようなところで体験しながら関心も高まっているところでございます。そうした取り組みも踏まえまして、
子どもたちが必ずしも何かコンピューターをさわらなければということではないものもございますので、そういった論理的な思考を高めるような教育活動については、
小学校の段階から充実し、また関心が高められるように、
小中学校の理科部なども含めて、校長会も含めてこういう内容を周知し、
子どもたちの意欲、関心を高める取り組みに工夫をしてまいりたいと思います。
◆そのべせいや 委員 最後、意見、要望になりますが、この
科学技術分野に関して、来年度の応募総数をどれぐらいにするということは、目標を立てて、今後進めていただければと思います。要望です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
安部ひろゆき 委員長 次に、(4)アメリカオリンピック
委員会との
交流事業の結果について、
理事者の説明を願います。
◎板澤 副参事 それでは、アメリカオリンピック
委員会との
交流事業の結果につきまして御報告をさせていただきます。
本件は、オリンピック・パラリンピック・環境対策等特別
委員会とのあわせ報告でございます。
1の主旨をごらんください。アメリカオリンピック
委員会と連携いたしまして、小中学生に対する講演会、またクリニックを通じましてオリンピック・パラリンピック競技への理解を深め、東京二〇二〇大会に向けました機運の醸成を図るとともに、
子どもたちのレガシーを創出するための
交流事業をスポーツ推進部と連携して実施したことから、御報告をさせていただくものでございます。
2の実施概要にございますが、(1)の講演会につきましては、九月の
文教常任委員会でも御報告をさせていただいたとおりでございます。明正
小学校及び砧
中学校の児童生徒約千名以上を対象として実施いたしたところでございます。
(2)のオリンピック種目に関するスポーツクリニックにつきましては、先日、十一月十七日土曜日の午前中に実施をいたしました。会場等につきましては、三校の
中学校で実施をいたしまして、関係する部活の生徒等を対象として実施いたしました。三会場で九十名の生徒が対象となりまして、USOC及び各競技団体のコーチによる専門的かつ実践的な指導を受けまして、一人一人が充実した様子で活動しておりました。また、各学校等からも、生徒にとってよい経験になったという声とともに、指導する顧問にとっても参考となるクリニックだったという声をいただいてございます。
3のその他にございますように、十二月にはパラリンピックコーチによるクリニックを予定してございましたが、先方の都合により実施しないということとなりました。今後、米国チームの来日等に合わせまして、これまで交流の機会の少なかった学校でありますとか
子どもたちなど多く広く、そして体験ができるよう、スポーツ推進部と連携して調整を進めてまいりたいと考えております。
報告は以上でございます。
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆
上川あや 委員 パラリンピックのアスリートの方とこういう交流があるというのはすばらしいなと思うんですけれども、一点、肢体不自由の
子どもたちが行っている光明養護学校とかも区内にあって、こういうパラリンピアンの方が
世田谷区に来て交流してくださる機会を一緒に提供できたりするといいのかななんて思ったりするんですが、全くそういう連携は考えずに、区教委単独で、向こうにお声がけとかは全くないんでしょうか。
◎板澤 副参事 この件につきましては、
世田谷区のホストタウンとしての取り組みの中で、スポーツ推進部からお声をかけていただきながらやっている取り組みの一つとして行っておりますが、まず、光明特別支援学校につきましては都立でございますので、都の管轄の中でさまざまな取り組みを進められているところでございます。
今後、またスポーツ推進部といたしましても、広く多くの
世田谷区内の
子どもたちを対象とした取り組みとしても広く募集をしながら、できる機会があれば、そういった広く声をかけることも基本にして考えていきたいというお話もいただいておりますので、今後、来日等に合わせました中で、そういう機会ができるようであれば考えていきたいというふうに考えてございます。
◆
上川あや 委員 相手があることですから、先方の判断はわかりませんけれども、少なくともそんな機会があったんだって、近くに来たのに知らなかったというのはやっぱり残念だと思うので、少なくともお声がけぐらいはしていただけると温かな対応かなと思います。ぜひ考えてみてください。要望です。
◆そのべせいや 委員 まず確認をさせていただきたいんですけれども、
世田谷区で独自に踊り、ダンスみたいなものをつくっていませんでしたっけ。何かの資料で拝見したような記憶があるんですけれども、それについてわかりますか。
◎板澤 副参事 今、私どもが今後オリンピックに向けまして踊りや歌というところで考えているのが「おーいせたがや」の歌でございまして、今、それにつきましては、過去にアイディ体操というものがつくられておりまして、まず、それを基本にしながら考えておりますが、今後、スポーツ振興財団等が
子どもたちになかなか難しいというところから、この「おーいせたがや」に合わせた踊りをつくっていこうと考えているというお話は伺ってございます。
◆そのべせいや 委員 もしかしたら、これからやるものをどこかの資料で拝見したのかもしれませんが、明正
小学校で五年生によるソーラン節の披露ということの記載について、ソーラン節って、これは北海道の踊りだと思うのですが、違いますか。せっかく外国の方が来ていただいているので、日本の伝統的なものをおもてなしとして多分披露しているという考え方なんだろうなと思うのですが、
世田谷に来ていただいて、少なくとも東京じゃないものを披露するというのは何かもったいない、あるいは何でソーラン節なんだろう。恐らく運動会か何かでやったのかなというふうに推測をするところなんですけれども、おもてなしという観点、あるいは伝統文化という観点で言うのであれば、もっと東京らしいもの、あるいは
世田谷らしいもの――
世田谷の伝統の踊りがどこまでみたいなところはあると思うんですけれども――を披露していくということについて伺おうと思ったんですが、やりますみたいなお話だったので、ぜひ進めてくださいというところで終えます。
◆
風間ゆたか 委員 今のそのべ委員の意見にある意味反論なんですけれども、今、国際交流の団体、民間団体等を含めて海外との交流をするときに、日本の伝統的なものって何なのかといったので、よくソーラン節がなされているわけですよ。それはどの
小学校でもみんな経験をしていたり等があって、かなり精度が高いということで、外国人の方々にはかなり感心されるという現場を僕も見てきています。
その意味では、よさこいソーランは、発祥は北海道だけれども、今はもう全国的に取り組まれているものだったりするわけです。
小学校五年生はみんな、こんなにすごい精度ですよね。やっぱりお客さんに
世田谷の小学生のソーラン節を披露していくというのは僕はいいと思いますので、ぜひそういったことも続けてもらえればなと思います。要望です。
◆
石川ナオミ 委員 十七日のスポーツクリニックについてもう少し伺いたいんですが、
子どもたちにレガシーを創出するための
交流事業ということで、実際に現場の状況がどうだったのかということをもう少し知りたいのですね。例えばバレーボールのクリニックの際にどういうような指導が行われて、
子どもたち、生徒たちがどういう反応をしていたとか、目の輝きはどうだったとか、そういう現場の状況をちょっと教えていただけたらと思いますが、まずどうだったでしょうか。
◎板澤 副参事 まず、今お話にありましたバレーボールを例に挙げさせていただきたいと思います。こちらは桜丘
中学校を会場に行いまして、女子、男子を含めて、女子のほうが多かったと伺っておりますが、十八名の
子どもたちがこのクリニックを受けております。その中で、アタック練習ですとか、ちょっとミニゲーム的なことをしながら、動き方、またサーブの練習、こういったものを、コーチの細かい指導を受けながら行っていたと伺っております。
特にその中で
子どもたちが今までにちょっと味わったことのない練習の仕方もあったというところで、とても関心を持ちながら取り組んでいたというふうに聞いております。
◆
石川ナオミ 委員 これを形にするということではないんですが、では、確実に生徒たちには心に火がついたというか、何かしらのインプットをされて次につながっていくというような、そんな励みにもつながっていったんでしょうか、いかがだったでしょうか。
◎板澤 副参事 多くの
子どもたちが、部活の中でも中心的な、例えばキャプテンですとか、そういう子が入っておりますので、これを生かして、これからの練習にも生かしていきたいというお話はしていたようでございます。
またさらに、先ほども申し上げましたが、顧問の教員もこれを見ておりまして、練習の仕方についてはかなり刺激を受けたということを伺っておりますので、またこういった指導の面でもよい効果が発揮されるというふうに期待をしています。
◆
石川ナオミ 委員 そうなんです。結構顧問の先生が、実際に今まで携わっていなかった部活動に顧問となってやらなければならないというような悩みをお持ちの先生方もいらっしゃる中で、やはりその顧問の先生方にも刺激になったということは、これは非常に大きな意味があることだと思いますし、また、こうした本物の指導が受けられるというのも非常に意義のあることだと思いますので、今後、これを引き続き行っていく際には、
子どもたちの反応などもまた細かく御報告いただけたらと思います。要望にいたします。
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安部ひろゆき 委員長 次に、(5)第二回バンバリー市
中学生親善訪問団の受入れについて、
理事者の説明を願います。
◎板澤 副参事 それでは、第二回バンバリー市
中学生親善訪問団の受入れにつきまして御報告させていただきます。
なお、本件は、区民生活常任
委員会とのあわせ報告でございます。
1の主旨でございます。これまで、カナダ・ウィニペグ市、オーストリア・ウィーン市ドゥブリング区、オーストラリア・バンバリー市と、児童生徒の親善訪問団の交流を行ってもらっております。ことし九月には
世田谷区から中学二年生を二十名、バンバリー市に派遣したところでございますが、このたびはバンバリー市からの中学生の親善訪問団の受け入れを行うものでございます。
2の期間でございますが、記載のとおり、来年の一月十一日から二十五日まででございます。
3の訪問団についてでございますが、男子三名、女子五名、合計八名の受け入れを予定してございます。また、引率二名は、先方の教員がいらっしゃると伺っております。
4の内容についてでございます。代表団につきましては、
世田谷区の中学生宅にホームステイで滞在をいたします。このホームステイを行いながら、
世田谷区の受け入れ生徒の学校での授業体験を行います。登校する学校は記載のとおり八校でございます。また、代表団の滞在中、表敬訪問も予定してございまして、区議会、区長、
教育長、いずれも一月二十二日に行う予定でございます。その他、滞在中、ホストファミリーとの歓迎会、生徒同士のスポーツ交流、高齢者クラブとの交流、また、今回、姉妹都市交流としては初めて川場村の訪問、また、京都見学、都内見学を予定してございます。
御説明は以上でございます。
○
安部ひろゆき 委員長 ただいまの説明に対し御質疑がありましたら、どうぞ。
◆
風間ゆたか 委員 ホームステイ先についてはどうやって選定したんでしょうか。
◎板澤 副参事 これにつきましては、
中学校全校の一年生から三年生全てを対象といたしましてホームステイの受け入れの募集をかけさせていただいたところでございます。
◆
風間ゆたか 委員 何名ぐらいあったんですか、どういう観点で選んだんでしょうか。
◎板澤 副参事 このホームステイの受け入れにつきましては、十一校から十八名の家庭から御応募があったというふうに聞いてございます。これにつきましては、先方のバンバリー市からも、アレルギーの部分、また動物の関係、そして男女の受け入れ、こういったところから御要望もありましたので、こういった観点から受け入れ家庭を決めたということ。また、広く
子どもたちが交流できるようにということで、できるだけ九月にバンバリー市へ行った子以外の子がホームステイを受け入れられるように、その部分も調整をさせていただいたところでございます。
◆
風間ゆたか 委員 要望してきたことがなされているということが確認できたので、多くの機会を提供していけるように工夫してもらっているので、今後もそうやって配慮していってもらえればなと思います。要望です。
◆青空こうじ 委員 一月の十一日から二十五日、都内見学、浅草、明治神宮、国会議事堂などがあるんですが、せっかくこの時期に
世田谷区の有名なボロ市が二日間あるわけですよね。ちょこっとだけでも見に来る。やっぱりこれは
世田谷のお祭りなんだから、ボロ市をちょっとのぞくだけでも結構ですが、ぜひ来るようにやっていただけないかなと要望しておきます。
◆
和田ひでとし 委員 この八名という数字は、今までと比べて特に少ない、多い、何か変化がありますか。
◎板澤 副参事 今回二回目でございますが、前回はおととしになります。一回目のこちらへの受け入れにつきましては、当時は十名の受け入れでございました。今回は八名でございますが、基本的にはあちらの学校の一つの学校から募集をかけるというところで、先方の事情もあり、こういった人数になったというふうに聞いております。
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安部ひろゆき 委員長 次に、(6)重要文化財「
大場家住宅主屋及び表門(
世田谷代官屋敷)」の
改修工事の着手について、
理事者の説明を願います。
◎田村 生涯学習・
地域学校連携課長 それでは、重要文化財「
大場家住宅主屋及び表門(
世田谷代官屋敷)」の
改修工事の着手について御報告いたします。
まず、この事業の主旨についてです。
世田谷区では、平成二十八年度に
世田谷区文化財保存活用基本方針を策定し、郷土
世田谷の歴史・文化を次世代へ継承する取り組みを推進しているところでございます。
重要文化財「
大場家住宅主屋及び表門」は区内唯一の重要文化財建造物であり、隣接する区立郷土資料館とともに、
世田谷の歴史・文化の中心的な施設として活用していくこととしております。当該文化財の所有者である
一般財団法人大場代官屋敷保存会では、平成二十八年度に
耐震診断を実施しておりまして、この結果を受け、昨年度から今年度にかけて耐震補強及び修理工事の設計に取り組んでおりました。このたび、平成三十年度の国庫補助が決定し、あわせて東京都も補助を行うことを決定したことを受けて、代官屋敷保存会から、平成三十年十二月より
改修工事に着手する旨の連絡がございましたので、御報告いたします。
それでは、2の
改修工事の概要について御説明いたします。
今回の
改修工事では大きく二つの区分の工事を行います。一つは耐震補強工事で、平成二十八度に実施した
耐震診断の結果、震度六弱で倒壊するおそれがあるとされたことから、耐震補強を行い、建物の強度を確保します。耐震補強工事では、文化財の価値を損なわないように、現況の壁等の一部に構造用合板による補強を行うとともに、床下部分の見えない場所に補強を行います。
また、(2)は修理工事で、昨年度に設計とあわせて行った現状調査により、一部の部材の腐朽や折損、接合部分の緩みなどが判明したため、これらの部分の修理を行います。また、これにあわせて屋根のカヤのふきかえなどを行うとともに、内部もさまざまな事業等で活用していくため、活用に必要なかまどの設置や、照明や水道等の必要な設備の整備もあわせて行います。
次に、3の
改修工事についてですが、平成三十年十二月十八日から工事準備に着手し、平成三十一年、二〇一九年十一月末日の完了を予定しております。このため、東京都指定無形民俗文化財「
世田谷のボロ市」については、平成三十年十二月十五・十六日のボロ市までは
世田谷代官屋敷を公開しており、見学できますが、年明けの平成三十一年一月のボロ市では工事のため代官屋敷の敷地を閉鎖しておりますので、
世田谷代官屋敷の見学はできないこととなります。平成三十一年、二〇一九年の十二月のボロ市までには工事が完了しておりますので、リニューアルした代官屋敷を見学することができるようになる予定であります。
改修工事中の対応についてですが、
世田谷代官屋敷は工事期間中は閉館となり、見学できなくなります。代官屋敷の敷地内にございます区立郷土資料館については、工事期間中におきましても通常どおり開館いたします。しかしながら、従来の郷土資料館の出入り口は代官屋敷の出入口を共用しておりましたが、工事によって利用できなくなりますので、恐れ入りますが、めくっていただきまして別紙をごらんください。別紙1の
世田谷代官屋敷改修工事期間中の出入口案内のとおり、郷土資料館の西側に通常は閉鎖しております門がございますので、こちらを出入り口といたします。
今回の
改修工事の事業費については、4補助事業の概要に記載しております。裏面をごらんください。
改修工事の総事業費は、工事費に設計監理料を含め一億二千八百万円ほど、これに代官屋敷の保存活用計画の策定をあわせて行うことから、その経費六百万円ほどを加え、約一億三千四百二十三万円を予定しております。平成二十九年度は、計画策定の経費約三百七十万円、今年度は計画策定及び仮設工事や一部の
解体工事の経費約四千百四十一万円、平成三十一年度は
改修工事で約八千九百九万円を予定しております。
本事業の実施に当たりましては、国や東京都、
世田谷区の補助金を活用して行います。
まず、①の国宝重要文化財建造物保存修理強化対策事業補助金で、これは重要文化財の耐震化や修理工事、防災工事などを対象とした国の補助事業でございます。今回は、
世田谷代官屋敷の耐震補強工事、防災工事などを対象とした国の補助事業でございます。今回は、
世田谷代官屋敷の耐震補強工事やカヤの屋根のふきかえを含んだ建造物の保存、維持に必要な修理工事を対象として補助金が交付されます。通常は国が事業費の五〇%、東京都が事業費の二五%の補助でありますが、今回は補助率の加算が行われることとなり、国からは事業費の六五%、東京都からは事業費の二〇%が補助されます。
このほか、②の国宝重要文化財建造物保存修理強化対策事業(公開活用)補助金というもので、重要文化財の公開や活用のための設備等の整備に充当される補助金であります。今回は、
世田谷代官屋敷の保存活用計画の策定や公開活用を進めるためのかまどの整備や、電気、給排水設備など整備に関する経費が対象でございます。こちらは国から事業費の五〇%、東京都から事業費の二五%が補助されます。
世田谷区は、③の
世田谷区文化財保護事業補助金による補助を行います。こちらは国の重要文化財建造物かつ東京都指定史跡である文化財を保存し、または修理することを対象にしたものです。
国の補助制度では通常、国、都により補助対象経費の七五%が補助され、残りの二五%は事業者の負担とされていますが、代官屋敷は区の歴史や文化を知る上で大変貴重な文化財であることから、その維持管理及び修理等に必要な経費について、総事業費の一〇%から一五%程度を目安として、今回は一三・七%を
世田谷区が補助する考えとしております。
最後に、5の
改修工事終了後の活用について御説明いたします。
平成二十八年度に策定した基本方針では、文化財とそれを取り巻く環境の一体的な保存の推進や
世田谷の郷土を学べる場や機会の充実等の基本方針を掲げています。
世田谷代官屋敷についても、関連する史跡や古い記録類、ボロ市など無形民俗文化財と一体として活用を図るとともに、郷土学習の拠点として事業の充実に取り組むこととしております。区としては、敷地内に郷土資料館もありますので、代官屋敷保存会と連携して、さまざまな事業展開を考えてまいります。
まず(1)、今回の耐震化と修理を実施することにより、これまで外観と土間部分のみを公開していたのですが、内部の座敷についても見学できるようにいたします。また、新たに土間にかまどを設置しますので、餅つきや日々の生活の様子、年中行事などの再現など、当時の暮らしを体験できるような事業や、暮らしぶりや代官の職務が理解できるような展示を行うなど、事業の充実に取り組みます。
(2)に、代官屋敷は近世の
世田谷を知る上で重要な文化財でありますが、周辺には
世田谷城址や勝光院、豪徳寺などの史跡や、東京都指定有形文化財「大場家文書記録」といった古い記録類が残され、また、東京都指定無形民俗文化財のボロ市が開催されるなど、さまざまな文化財と関連しております。こうした関連する他の文化財と連携し、地域の歴史や文化への理解を深める資源として活用し、
世田谷の魅力を伝えていく取り組みを進めます。